モニエル瓦は塗装できる?施工可否と失敗しないための注意点を徹底解説
投稿日:2026年9月15日
屋根のメンテナンスを検討していて、「うちの瓦はモニエル瓦らしいけれど、普通に塗装していいのだろうか」と迷う方は少なくありません。
見た目は和瓦や洋瓦と似ていても、モニエル瓦は構造が独特なため、他の瓦と同じ感覚で塗装すると数年で剥がれてしまうケースがあります。
この記事では、モニエル瓦の基本構造から塗装の可否、施工時に押さえておきたいポイントまで解説します。
モニエル瓦とは何か
モニエル瓦は、コンクリートを主原料として成形した瓦の一種で、正式には「乾式コンクリート瓦」と呼ばれます。
表面には「スラリー層」と呼ばれるセメント系の着色層があり、これが瓦本体の色と質感を作り出しています。
輸入瓦として日本で流通した時期があり、平成初期に建てられた住宅を中心に採用されています。
なお、現在は国内での新規供給が終了しています。
一般的な陶器瓦(和瓦)は釉薬を焼き付けているため色あせがほとんど起こりませんが、モニエル瓦はスラリー層が経年で少しずつ劣化し、表面が粉状になる「チョーキング現象」が起こりやすいという特徴があります。
この粉状の劣化層が、塗装時に大きな壁となります。
モニエル瓦の塗装は可能か
結論から言うと、モニエル瓦の塗装自体は可能です。
ただし、一般的な方法では、施工後1〜2年程度で塗膜が浮いたり剥離したりするトラブルが報告されています。
原因は先述のスラリー層にあり、経年劣化によって密着力が弱くなっています。
粉状になった層の上に塗料を乗せても、塗料は剥がれ落ちてしまいます。
つまり、塗装の成否は「下地であるスラリー層をどう処理するか」にかかっていると言えます。
塗装を避けたほうがよいケース
すべてのモニエル瓦が塗装で延命できるわけではありません。
以下のような状態では、塗装よりも葺き替えやカバー工法を検討したほうが結果的にコストを抑えられる場合があります。
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これらの症状がある場合、表面を塗装しても内部の劣化は解消されません。
まずは屋根工事業者に瓦の状態を確認してもらい、塗装で対応できる範囲かどうかを見極めてもらいましょう。
塗装以外の選択肢
瓦の劣化が進んでいる場合や、そもそも塗装での延命が見込めない場合には、瓦をすべて撤去して新しい屋根材に交換する「葺き替え」の選択になります。
葺き替えは費用は高くなりますが、下地から作り直すため耐震性や防水性の面で長期的な安心感を得やすい方法です。
モニエル瓦の塗装の工程
モニエル瓦を塗装する場合、一般的には次のような流れで進みます。
1.足場仮設
安全確保とスムーズな施工のために頑丈な足場を組み、周りに養生ネットを張ります。
2. 高圧洗浄でスラリー層の浮きを除去
まず高圧洗浄機で瓦表面の汚れとコケ、そして劣化して浮いている粉状のスラリー層を洗い流します。
この工程で表面の状態がある程度可視化され、下地の傷み具合を判断しやすくなります。
3. ひび割れ・欠損の補修
洗浄後に瓦のひび割れや欠けが見つかった場合は、専用のシーリング材やパテで補修します。
4. 下塗り
モニエル瓦塗装で最も工程を左右するのがこの段階です。
通常の下塗り材ではなく、モニエル瓦(スラリー層)に対応した下塗り材を状態に応じて2〜3回塗り重ねます。
専用の下塗り材を使用して粉状の層を樹脂分で固めることで、上に乗せる塗料の密着性を高めることができます。
5. 中塗り・上塗り
下地が安定した後、シリコン系やフッ素系など耐候性のある塗料で中塗り・上塗りを行います。
この段階からは他の屋根材の塗装とほぼ同様の工程です。
6. 仕上げチェック
施工後は色ムラや塗り残しがないかを確認し、足場をバラして完了です。
費用相場と工期の目安
モニエル瓦の塗装費用は、一般的な屋根塗装と比べてやや高めになる傾向があります。
理由は専用の下塗り材、また、下塗り回数が追加される可能性があるためです。
延べ床面積30坪程度の住宅で、足場代を含めておおよそ60万円〜100万円が目安とされていますが、屋根の劣化状態や使用する塗料のグレードによって変動します。
工期については、洗浄から乾燥期間、下地処理、上塗りまで含めて7日〜14日程度が一般的です。
天候によって延びることもあるため、余裕を持ったスケジュールで依頼しましょう。
業者選びで確認しておきたいポイント
モニエル瓦は施工実績のある業者とそうでない業者とで仕上がりの差が出やすい屋根材です。
依頼前には以下の点を確認し、安心して任せられる業者に依頼しましょう。
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複数社から見積もりを取ることで対応の良し悪しや適性価格も見えてきます。
まとめ
モニエル瓦は塗装によるメンテナンスが可能な屋根材ですが、表面のスラリー層が劣化しやすいという構造上の特徴から、通常の屋根塗装とは異なる下地処理や下塗り材の選定が必要です。
高圧洗浄、ひび割れ補修、専用の下塗り材による下地固めという工程を踏むことで、塗料本来の耐用年数を発揮させやすくなります。
ただし、瓦の破損や内部劣化が進んでいる場合は塗装での対応は限界があるため、葺き替えを検討する段階に入っていることもあります。
まずは専門業者による現地調査を受け、瓦の状態を正確に把握したうえで、塗装が適した選択かどうかを判断しましょう。
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