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塗装工事は古くなった部材に新しい塗料を塗るだけの作業と思っている人もいるでしょう。

しかし、実際には塗装をする前に下地調整をする必要があります。

ケレン作業は塗装工事における下地調整で重要なプロセスです。

 

この記事ではケレン作業の種類や費用相場について詳しくまとめましたた。

屋根塗装や外壁塗装をご検討中の方はぜひご参考になさってください。

 

ケレン作業とは塗装工事をする際に下地をきれいにして塗料の定着を良くするための作業です。

塗装工事の工程では下地調整に含まれていて、足場を組んで高圧洗浄をした後に実施します。

 

ケレン作業は広い意味では下地に付いている古い塗膜や汚れ、錆びなどをすべて取り除くことを指します。

狭い意味では金属部分に発生している錆びを落とす作業です。

更に、塗装面の凹凸をなくすように調整する場合や、あえて傷をつけて下塗りの塗料が密着しやすくする場合もあります。

 

金属系サイディングなどのように金属の部分だけでなく、窯業系サイディング、樹脂サイディング、木質系サイディングなどを使用している場合でもケレン作業をすることがあります。

ケレン作業は広義では下地の表面を整備して、塗料の定着をよくする一連の作業を意味するからです。

 

ケレン作業は塗装工事では必須のプロセスです。

手抜き工事をされてしまって後悔するケースとして、ケレン作業が十分ではなかったということもあります。

ここでは塗装工事におけるケレン作業の重要性について詳しく解説します。

金属が錆びている状態で塗装をすると、塗膜によって錆びは見えなくなります。

しかし、錆びそのものは塗膜の下に残っているので、金属の腐食や外壁の劣化が進んでしまいます。

錆びによって外壁や家屋の劣化が進行してしまうことを防ぐのに有効なのがケレン作業です。

 

ケレン作業をすると塗装後の見栄えが良くなります。

錆びや古い塗膜が残っていると凸凹になって塗装の仕上がりが悪くなってしまいます。

丁寧にケレン作業をして平らな下地に仕上げることによって、塗装後、美しい見た目になります。

 

ケレン作業をすると塗装の寿命が長くなります。

ケレン作業が適切に行われていなければ、塗装をしても塗膜がすぐに剥がれてきてしまう恐れがあります。

下地調整がきちんとできていなかったために、塗膜を均一に形成させられなかったのがよくある原因です。

ケレン作業によって理想的な下地の状態を作り上げることで、塗装品質を飛躍的に向上させます。

 

ケレン作業には種類があります。

下地の状態が悪いときには作業の内容が難しくになり、状態が良好であれば簡単な作業で済みます。

 

ケレン作業は1種～4種に分類できます。

ここではケレン作業の種類ごとに特徴を紹介します。

 

1種ケレンは金属の腐食が進んでいて最も状態が悪いときに実施されるケレン作業です。

錆びだらけになってしまった金属部の酸洗いやブラスト工法などを行います。

戸建て住宅の場合には1種ケレンをする代わりに建材の交換をすることが多いので、1種ケレンはあまり行われません。

 

1種ケレンの平方メートル単価はおよそ4,000円～6,500円です。

1種ケレンは単価が高いので、業者から提案されたときには部材の交換も検討した方が良いでしょう。

一般住宅では1種ケレンを提案されることはありませんが、オフィスビルなどの場合にはあり得ます。

 

2種ケレンは戸建て住宅では稀に実施されることがあるケレン作業です。

1種ケレンに比べると錆びなどの状態が悪くはないものの、見た目ではっきりと腐食が進んでいるのがわかる状態のときに行われる場合があります。

ディスクサンダーやワイヤーカップなどを使用して錆びを除去するのが2種ケレンの基本的な作業です。

基本的には既存の塗膜をすべて除去して塗装する流れになります。

 

2種ケレンの平方メートル単価はおよそ1,200円～2,500円です。

状態が悪くならないうちに外壁塗装をしてメンテナンスするのがおすすめです。

2種ケレンの場合にも一般住宅では外壁の張り替えや重ね張りの方が費用対効果が高くなることがあるので比較検討しましょう。

 

3種ケレンは一般住宅ではしばしば行われているケレン作業です。

1種ケレンや2種ケレンのように遠目で見ても劣化が著しいことがわかる状態ではなく、錆びや汚れなどが各所に少し見られるような状態のときに行います。

3種ケレンに分類される状態は幅が広く、スクレーパーやワイヤーブラシで処理をすることもありますが、ディスクサンダーなども用いることがあります。

状態が良好な場合には既存の塗膜を一部、活膜として残して下地調整をします。

 

3種ケレンの平方メートル単価はおよそ500円～1,500円です。

3種ケレンは一般住宅では標準的な方法で、状態によって単価を決めていることもよくあります。

見積もりを取るときには単価の算定根拠を業者に聞いて説明してもらうことが大切です。

 

4種ケレンは状態が比較的良好で手作業で簡単に錆びや汚れを除去できる範囲のときに行うケレン作業です。

定期的にメンテナンスをしている住宅では4種ケレンで済むことが多いです。

サンドペーパーや研磨パットなどの簡単な道具で下地調整が可能な状態で行うケレン作業です。

活膜は残したまま余計な塗膜や錆びなどを除去するのが基本で、塗料の定着をよくするための作業が中心になります。

 

4種ケレンの平方メートル単価はおよそ200円～500円です。

4種ケレンでは必要最低限の下地調整なので費用は抑えられます。

ただ、3種ケレンが必要なのに4種ケレンを提案されてしまうこともあり得るので、外壁の状態を業者に詳しく説明してもらって納得してから4種ケレンを依頼しましょう。

 

ケレン作業は塗装工事の品質を向上させ、耐久性が高めるために重要な工程です。

下地の錆びや汚れの状態に合わせて適切な種類のケレン作業を実施して塗装することが欠かせません。

 

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