日本瓦はなぜ塗装が不要?必要なメンテナンス、費用相場は?
投稿日:2024年11月16日
昔ながらの日本瓦は重厚感のある作りで、耐久性が非常に高いのが特徴です。
そんな頑丈なイメージのある日本瓦ですが、「メンテナンスはいらないのでは?」「メンテナンス方法が分からない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
屋根のメンテナンス方法に「屋根塗装」がありますが、日本瓦には必要ありません。
しかし、全くメンテナンスが不要というわけでもありません。
そこで今回は日本瓦にフォーカスを当て、適切なメンテナンス方法について解説していきます。
お住まいの屋根が日本瓦の方はぜひ最後までご覧ください(^^)/
日本瓦とは
日本瓦とは練り上げた粘土を成形して焼き上げることで出来ています。
耐久性が非常に高いのがメリットで、自然災害などによる割れが起こらなければ、長くて100年持つと言われています。
日本瓦の形状は和形・平型・スパッシュ型など種類があります。
仕上げは全く薬を塗らないいぶし瓦、瓦表面に薬を塗る釉薬瓦があります。
日本瓦は屋根塗装が不要!その理由とは
写真のように屋根材によっては屋根塗装が必要な素材が使われている場合があります。
屋根塗装では屋根材の保護、防水性の回復、美観の向上などの効果があるメンテナンス方法です。
しかし、日本瓦には屋根塗装が必要ありません。
耐久性が高いので塗装は不要
日本瓦は高温で粘土を焼き上げて造られていることから焼き締まっているので、屋根自体の耐久性は非常に高いのが特徴です。
耐火性や防水性も高いので塗装による保護はしなくても大丈夫です。
もし、日本瓦に屋根塗装をするとどうなる?
屋根塗装を行ったとしても塗料が密着しないので、すぐに剥がれる可能性が高いです。
また、剥がれると見た目が悪くなるので再度メンテナンスが必要になります。
屋根塗装は費用もかかりますし、1度塗ればその後も塗装しなければならない可能性があるので、塗装はおすすめできません。
日本瓦に行う4つのメンテナンス方法
日本瓦はメンテナンスフリーというわけではありません。
衝撃を受けたり地震などによってズレたり割れることもあります。
瓦を固定している漆喰や瓦の下に敷いてある防水シートも劣化するので、メンテナンスが必要です。
①漆喰詰め替え工事
屋根の漆喰は屋根の頂上にある棟(むね)部分に詰められています。
瓦を葺くための『葺き土』に雨水が浸透しないよう守る役割や、瓦同士を接着することで瓦のズレを防止するなどの役割を担っています。
漆喰が劣化するとボロボロと剥がれ落ちるようになります。
葺き土が剥き出しになると雨水が浸透するようになり、雨漏りに繋がる恐れがあります。
また、瓦同士の接着力が低下するため、瓦のズレが生じます。
漆喰は15年前後でひび割れや剥がれが起こります。
お住まいの環境や施工の状態にもより変動するので、新築や前回の漆喰工事から10年経ったら業者に見てもらうと安心です。
②棟瓦積み直し工事
漆喰の劣化や地震などにより、棟瓦が写真のようにズレることがあります。
このままの状態を放置すると隙間から雨水が入り込んだり、屋根の欠落に繋がる恐れがあります。
そのため、既存の瓦を一旦外し、もう一度積み直す必要があります。
屋根の頂上にある棟瓦の状態はご自身で確認することは難しく、屋根に上ると落下する危険があります。
大きな地震の後や10年に1度を目安に屋根修理を行っている業者に調査してもらうことをおすすめします。
③瓦部分交換
台風や強風で飛来物が当たったなど、衝撃によって瓦が割れることがあります。
瓦の一部が割れてしまい、他の瓦は問題ないという場合は部分交換が可能です。
破損したままの状態を放置すると雨漏りに発展する恐れがあるので、できるだけ早めに対処しましょう。
④葺き直し工事
屋根材を設置することを葺く(ふく)と言いますが、葺き直し工事は屋根を設置し直す工事です。
既存の瓦を一旦撤去し、下地の防水シート(ルーフィング)を張り替えるなど、下地のメンテナンスを行います。
そして既存の瓦を戻して完工です。
屋根は二次防水の構造になっており、一次防水は屋根材、二次防水はルーフィングです。
瓦が破損したりズレてもルーフィングが破損していなければ雨漏りを防ぐことができます。
お住まいの要とも言える部材ですので、寿命が近くなったら葺き直し工事をご検討ください。
日本瓦の寿命は長くて100年と言われていますが、ルーフィングの寿命はそれより短命です。
寿命の長さはよく使われているアスファルトルーフィングで約10年、改質アスファルトルーフィングは約20~30年です。
日本瓦のメンテナンスにかかる費用相場
日本瓦のメンテナンスにかかる費用相場は以下の通りです。
メンテナンス方法 | 費用相場 |
漆喰詰め替え工事 | 約5,000~8,000円/m |
瓦部分交換 | 約10,000~50,000円/枚 |
棟瓦積み直し工事 | 約10,000~15,000円/m |
葺き直し工事 | 約10,000~17,000円/m |
上記の表はあくまで目安ですので、参考程度になさってください。
瓦の劣化や耐震性が心配な場合は葺き替え工事も
日本瓦は耐久性の高い屋根材ですが、その寿命は永遠ではなく、徐々に劣化していきます。
災害などで割れや落下が起こることもあるでしょう。
また「重たい瓦は耐震性の面で心配」という方は既存の瓦を撤去し、新しい屋根に葺き替える工事をおすすめします。
屋根は重いほど地震の際に建物の揺れが大きくなるので、軽量な屋根にすると安心です。
一般的に瓦屋根は30坪で約6t、スレート屋根で約2t、金属屋根で約600kgと、屋根材の種類によって重量は大きく変わります。
なお、自然災害に強い防災瓦という種類もあります。
ロック式という工法で瓦同士を連結し、耐震性能が非常に高いのが特徴です。
さらに瓦を下地に釘で固定することで耐風性も高く、まさに防災性能の高い瓦です。
ただ、葺き替え工事は100万円以上はかかります。
屋根が傷んできて、今後も長く住むという場合にご検討いただければと思います。
屋根のことならK’S CREATEへご相談を!
瓦屋根のメンテナンスは状態に応じて適切な工事を選択する必要があります。
漆喰が劣化している場合は漆喰詰め替え工事が必要ですが、棟がズレていれば棟瓦積み直し工事が必要です。
お住まいの屋根が「今、どんな状態なのか」「どんな工事が必要で、いくらかかるのか」、当社では無料で調査・ご案内をします。
「見積もりだけ取って、ゆっくり考えたい」というご相談も大歓迎です。
まずはお気軽にお問合せください(^^)/
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